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Vol.112 ムカつく相手を一発で黙らせるオトナの対話術

ムカつく相手を一発で黙らせるオトナの対話術.jpg『ムカつく相手を一発で黙らせるオトナの対話術』

バルバラ・ベルクハン 

阪急コミュニケーションズ

2009年12月

 

こんにちは。
キアです。

今回ご紹介する本「ムカつく相手を一発で黙らせるオトナの対話術」は
タイトルが秀逸です。

誰もが一度は(人によっては毎日のように)「ムカつく!」「一発で黙らせたい!!」と
思ったことがあることでしょう。

本書の著者は、日本人ではなく、ドイツ人のコミュニケーショントレーナーです。

コミュニケーション術のセミナーを開く中で、参加者から多く寄せられる
「癪(しゃく)にさわることを言われたら、どういう態度をとったらいいのでしょう?」
「ただし、カッとしたり、ケンカしたりすることのないように」
という質問への解決策を考えるなかで、「合気道」の練習で、小柄な中年の女性が、
自分よりはるかに大きな相手をマットの上に押さえこんだところを見たことから、
言葉による攻撃に対しても合気道のように、自分よりも強い相手を倒すことができる
「返し技」を探し、見つけることができたのだそうです。

本書は訳書なので、日本人とは言葉や思想の文化が違う欧米人の技術が日本人の
役に立つのだろうか?とも思いましたが、合気道という日本の武道からヒントを得て
探し出された「返し技」なのであれば、もしかしたら日本人こそがうまく
使いこなせるのではないでしょうか。
(と、思いつつ読んでいたら、最後の訳者あとがきにも、そんなことが書いてありましたので、
訳者の方も同じようなことを感じたのだそうです)

女性が職場の男性同僚から
「ゆうべはベッドが混んでたの?だから、しわだらけなのかい?」
「どうしたの、その顔?睡眠不足?それともパックを落とすのを忘れたのかな」
と言われる...というようなエピソードは、さすがにそんなアメリカンジョーク
(いや、本書はドイツの本なのですがね)を言う日本人はそうそういないよ!と、
文化の違いを感じましたが...。

本書は、「ムカつく相手を一発で黙らせる」というタイトルから、
攻撃的な話術を紹介するような本に思われてしまいそうですが、
実は本書の推奨する技術はごく平和的です。

まず、第1章は「戦わずして勝つ」です。
選択肢は「戦う(勝つかもしれない)」と
「戦わない(もちろん負ける)」の2つだけではなく、
「戦わない、それでもなおかつ勝つ」という、もう一つの選択肢があるということを
本書では教えてくれます。

戦わないで勝つ方法として、本書では、こんな技術が挙げられています。

【やまびこトーク】
傷ついたり不愉快だと思ったりした言葉を繰り返し、その意味を尋ねる。
例「あなたの報告書、ちょっと雑だったね」
→「どういうところが雑だったのでしょうか?」

【沈黙】
人に不愉快なことを言われても、返事をする必要はない。
返事をする、しないのは自分の自由。
ただし、沈黙の際に重要なのは、優越感をもって堂々としていること。
なんでもいいからとにかく事態を先へ進ませたい場合には、
相手の発言の中から役に立つ情報と具体的なものだけを取りあげ、
嫌味や不快な発言は無視する、という主体的な沈黙を行う。

【ひとことコメント】
沈黙ではなく、少しはなにかを言ってやりたいときには
「あ、そうなんだ!」

【褒め言葉】
横柄で知ったかぶりな相手は、褒める。決して皮肉に聞こえることのないように。
抱きしめられれば敵は動けなくなる。

【迂回トーク】
感情的になったら話題を変える。


本書で紹介されているこれらの技術は、すぐにでも役に立ちそう、
と思うものでしたが、本書の中で今後の生活の中でもっと役に立ちそうなのは、
技術そのものよりも、「ムカつくこと」への「考え方」です。

例えば、

傷つけられたという感情は、相手の言葉ではなく、
その言葉に対する私たちの解釈によって生まれるもの。

傷つきそうになったら、「相手の言葉をどう受け取るか、それを選ぶのは私だ。
そしてたくさんの解釈があるのだ」と思って、最初に生まれたネガティブな解釈を
頭から信じ込まないこと。

自分の周囲にいる扱いにくい人を扱いにくい理由は、
その人が自分の気に入るような行動をとらないから、
そして自分がその人を自分の思うとおりにしようとするから。

しかし、その人は自分の弱点を知らせるボタンを押してくれる人である。
敵ではなく、弱点を克服するためのトレーニングパートナーなのである。

といったことを日々忘れないにしていけば、明日からの生活がもっとラクに、
楽しくなるような気がします。

◆目次
■第1章 戦わずして勝つ
◆返し技→やまびこトーク
◆返し技→にぎやかな沈黙
返し技→ひとことコメント

■第2章 ユーモアで勝つ
◆返し技→褒め言葉
◆返し技→迂回トーク
◆返し技→場ちがいなことわざ

■第3章 攻撃したくなったら
◆返し技→諍いの原因を明らかにする
◆返し技→何のための競争なのかを自覚する
◆返し技→相手を認める
◆返し技→相手に尋ねる

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