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Vol.109 そうか、君は課長になったのか。

そうか、君は課長になったのか。.jpg『そうか、君は課長になったのか。』

佐々木常夫(著)/WAVE出版 /2010年2月  

 

こんにちは。
キアです。

今回ご紹介する「そうか、君は課長になったのか。」の著者佐々木常夫氏は、
障害を持つ長男を含む3人の子供と肝臓病とうつ病で入退院を繰り返す妻という
家族をもち、すべての育児・家事・看病をこなしつつも東レ同期トップで取締役に
就任、現在は東レ経営研究所の社長...という、それ自体が一冊の本になりそうな
経歴をもつ人です。

本書は、著者なりの課長職の「神髄」を、石田君という架空の新任課長に向けた
応援の手紙の形式で、書いたものです。

以前から何度か雑誌の記事(ワークライフバランス特集の記事だったと思います)などで
著者のエピソードを見て興味を持っていましたが、著書を読むのは本書が初めてです。

「ビックツリー ~自閉症の子、うつ病の妻を守り抜いて~ 」という自伝的な著書もある中で、
なんで自分は課長でもないのに「そうか、君は課長になったのか。」を読んでいるのだろう?・・・
とも思いましたが、結果として、ヒラ社員の私の心にも十分響く本でした。

取締役や子会社社長の経験がある著者が、なぜあえて「課長」についての本を書いたかは、

『近年、若い世代の中で「あんなに大変なら、課長になりたくない」という人がいますが、
私は、こうした言葉が残念でなりません。

たしかに課長職は簡単ではありません。
しかし、これほどやりがいと喜びのあるポジションはないのです。
課長職の魅力と、この仕事をするうえでの心構えやノウハウを、
ひとりでも多くの課長さんに伝えたい---。
そう思って本書を書くことにしました。』

と、本書の「はじめに」に書かれています。

「○○課長とか××課長を見ていると、一生、課長になんかならなくていいって思うよねー。」と
いうような言葉がまさに自分の身の回りでよく交わされているくらい、
(そんな言葉を部下たちは面と向かって課長に言い、そんなことを言われたときの課長の返しは
「うるさい、おまえ課長にするぞ」です。それを言われると部下たちは退散します)
私の環境においても課長とは、大変でかつ報われないポジションに見えます。

著者による、課長職の魅力とは、「課のメンバー一人ひとりと直接対峙し、
課員全員をひとりの人間として気にかけ、その成長をアシストし、一人ひ
とりの仕事に直接手をつっこんで、モチベーションを高めながらスキルを
向上させ、部下の成長を見守り...というようなことを通して、部下の成長
を確認したり、チームとしての結果が出たときの満足感はなにものにも代
え難い」、とのことです。

その「部下一人ひとりと」という部分が課長の「大変さ」だと思うのですが、
本書によるその大変なことを達成し、かつ喜びをもって行うために何よりも
大事なことは、「志」をもつこと、です。

この「志」については、本書の第1章『まずはじめに「志」をもちなさい』で
1章分を割いて説明されています。

課長が持つべき「志」とは、自分の出世や自分の利益のためではなく、
「世のため人のため」になること=部下の成長や幸せのために本気で指導に
当たっているということです。

1章では、知的障害者雇用を行っている日本理化学工業(株)の社長が、
障害者が嬉々として働くのはなぜかと疑問に思った時に導師(禅僧)に
言われた言葉

『人間の究極の幸せは、人に愛されること、人にほめられること、
人の役にたつこと、人から必要とされることの4つです。
働くことによって愛以外の3つの幸せは得られるのです』

が紹介されています。

「世のために人のため」に生きることとは、この導師の言葉の
「人にほめられること、人の役にたつこと、人から必要とされること」であり、
自分の幸せのためになるということになります。

部下の成長に唯一直接タッチできる課長という職位において、
部下に対して「ノブリス・オブリージュ」(高い地位にいる人には、
社会や人々のために尽くす義務があり、高い義務に見合った尊敬や愛情を
含めた高い報酬がある)であることで、回り回って自分が幸せにつながる、
と本書の1章では書かれています。

この「志」についてのほかに、本書では、課長にとって大切なこととして、
下記のようなことが挙げられています。

・プレイングマネージャーにはなるな
(現場の具体的業務ではなく、課長のやるべき業務「課の方針策定」
「部下の監督と成長」「経営と現場のコミュニケーション」
「社内外の政治」に専念する)

・方針や信念を示す
(文書にして部下たちに渡し、現場の仕事に当てはめて具体的に説明する)

・「在任中に何を成すか」を決める
(できるだけ早く達成する方策を考え、実行していく)

・部下の仕事に手をつっこむ
(部下とその業務の重要度、納期を議論する)

・部下の人生にコミットする
(その仕事が「何のためにあるのか」を明確に示し、部下にやりがいを与える)

・はっきりと言葉にする
(「わかってくれるだろう」ではなく、何事も言葉でしっかり伝える)

・大局観を養う
(広い視野や視点で仕事をとらえる)

この「大局観を養う」という項に、常に上位者の視点でものを見るべき、
課長になってから課長の勉強をしているようでは遅い、と書かれていましたので、
まだ課長でもない私も、この本で心に残ったことを明日からでも
生かしていけたらいいなと思います。


◆目次
第1章 まずはじめに、「志」をもちなさい
第2章 課長になって2か月でやるべきこと
第3章 部下を動かす
第4章 社内政治に勝つ
第5章 自分を成長させる

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