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Vol.078 仕事耳を鍛える

仕事耳を鍛える.jpg『仕事耳を鍛える』

内田和俊

ちくま新書

2009年12月

 

 

 

今、ビジネスパーソンに最も必要なもの。
それは「聴く能力」だと内田和俊氏は言います。

内田氏はコンサルティングと社員研修のほかに、
EAP(従業員支援プログラム)の相談員もしています。
クライアント企業の従業員からの相談を受けていると、
「嘘だろう?」と思ってしまうようなものたくさんあるそうです。

かつては上司を中心に社内の人間が対応していたこと。
身近な誰かに訊けば、即座に解決できるようなもの。

効率化と利益の追求ばかりが声高に叫ばれ、その弊害として
社内から「聴く耳」が奪われてしまったというのです。
その結果、組織の活性化とチームワークは阻害され、
本来なら事前に防ぐことのできるヒューマンエラーも多発。

私たちは「聴く」ということを軽視しすぎているようです。

本書では、「ビジネス傾聴」として「適切なレスポンス」まで含めた
聴く能力の身に付け方を解説しています。

聞き方というのは、指導を受けることはほとんどありません。
無意識のうちに自己流の「聞き方」を身に付けてしまっています。
私はどんな聞き方をしているのだろう?

聞き方のレベルが1~5までに分けて具体的に紹介されていました。

レベル1 聴く意思を持っていない
レベル2 聴いているつもり
レベル3 都合のいいように聞く
レベル4 自分本位の目的で聞く
レベル5 SYP傾聴

SYP傾聴とは、Sympathize with Your Personalityの略で、
「相手の立場になり、相手の個性に共感しながら、話を聴く」
ということです。

レベルの低い聞き方の具体例を読むと、心当たりがたくさん・・・
自分勝手な解釈で聞いてしまったり、
次に言うことを考えながら聞いてしまったり、
反省しました。

ただし、ビジネスの場面において、
レベル5の聞き方が常にいいというわけではありません。

たとえば、「いじられキャラ」である場合。
先輩社員や上司、お客様まで親身にアドバイスをしてくれます。
しかし、それぞれのアドバイスはバラバラ。
いちいち素直に聞いていたら大変です。
そこで、相手の気分を害さず、素直に聞くフリをして、
頭の中では自分にとって必要な情報を取捨選択することになります。
これはレベル2の聞き方です。

こんなふうに、具体的に「こういう場合はこのレベルで」と
示唆してくれているのが本書の良いところです。

常に相手の立場に立って共感して聞いていたら、
実際のところ身が持たないし、仕事も回らないんですね。

自分の聞き方を振り返るきっかけと、
ビジネス力のアップのために一読をおすすめします!

 

小川晶子

 

◆目次
まえがき
第一章     ビジネスリーダーの現状
第二章     コミュニケーションの実態
第三章     私たちは普段どんなふうに人の話を聞いているのか
第四章     どう聴けばいいのか
第五章     相手の本音をどう引き出すか(質問編)
第六章     相手の本音をどう引き出すか(レスポンス編)
第七章     何が聴けなくしているのか
あとがき

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