- 2010年3月 8日 (月)
- 書評メールマガジンバックナンバー
『朝のカフェで鍛える実戦的マーケティング力』
真の仕事力は、理論と実践の両輪から。
(秀和システム)
永井孝尚(著)
2009年10月
みなさん、こんにちは。松山真之助です。お元気ですか?
今日は、マーケティングの入門書をご紹介しましょう。実践的な内容が物語形
式で進むのでとても読みやすく、分かりやすいところがお勧めです。
<まずは、おすすめのツボ>
本書は、物語で読むマーケティング入門の書です。入門とはいえ、しっかりと
骨太なエッセンスが学べます。
本書は、「法人向けのマーケティング」をテーマにしたところが特徴で、多く
のマーケティング書籍が消費者向けである中で、特異なポジションにあるもの
といえましょう。さらに、物語仕掛けになっているため、とても面白く読める
点もお勧めの理由の一つです。
著者は、IBMのマーケティングマネージャーとして活躍中であり、実践と理
論の両面から語れる強みが、本書をより実践的にしています。
さて、物語の舞台は、中堅会計ソフトの会社です。
主人公は、入社後10年ほどセールスを経験し、最近商品企画部に異動した
ばかりの宮前久美。大手企業でマーケティングを担当し、退職後大学院でマ
ーケティングを教える叔父の与田誠が久美のメンターとして登場する。
朝、会社が始まる前のカフェーでうける与田からのコーチングは、久美を一
人前のマーケターに成長させていく。
こんな舞台で物語が展開します。
事業ドメインの定義、競合比較と市場分析、顧客満足のとらえ方、顧客価値の
創造、プロダクトセリングとバリューセリングなど・・・マーケティングの基
本が、物語を読み進む中で理解できるのがうれしいですね。
3C、5つの力、バリュープロポジションなどを、単に教科書的に解説されて
もちっとも面白くありませんがが、本書のような物語の中で体験的に説明され
ると、妙に腑に落ちるのが不思議です。
とても読みやすく、ためになるマーケティング読本。超おすすめ!です。
<読書メモのおすそわけ>
久美と与田の間でかわされる会話にいくつかのマーケティングレッスンがあり
その中で僕の興味をくすぐったのを紹介しておきましょう。
家電量販店に押され気味な町の電気屋さんが、「フットワークのいいアフター
サービスを売りに、団塊世代の富裕層を狙って成功している」事例が登場しま
す。バリュ-プロポジションの解説事例です。
バリュープロポジションとは
1)顧客が望んでいて
2)自社が提供でき
3)競合他社が提供できない価値
のことです。町の電気屋さんが、上記の3つの視点で量販店に負けないサービ
スを展開する事例です。
また、キシリトールガムが、虫歯予防のガムとして認知されるプロセスも面白
いです。
虫歯を治すこと・・というサービス中心で考えていた歯医者さんの価値を
健康な歯を維持すること、というように顧客中心に変えた。
それにより、キシリトールが虫歯予防のガムとしてのポジションを獲得し、
また、歯医者さんも虫歯治療以外の残り9割を顧客にできた・・・、という
事例。
世の中の現象をこんな風にマーケティングの視点から眺めると、思わずほぉー
とうなりたくなります。
マーケティング的目線でみる楽しさを、本書は教えてくれるでしょう。
<オススメ度>
★★★★★+理論と実践
◆目次
1 あこがれの商品企画部へ異動!
2 実は顧客が見えていなかった!?
3 見えそうで見えない顧客
4 製品を生み出すのに、走り回る
5 本当の原因を見極めて、売れない壁を突破せよ
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