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Vol.070 職場は感情で変わる

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『職場は感情で変わる』

高橋 克徳著 / 講談社 

2009年9月

 

 

 

 

こんにちは。キアです。

以前のメルマガ(Vol.058)に、
「ベストセラー『不機嫌な職場』は、職場が不機嫌になる原因分析については
よく書かれているのに対して、そんな職場を変えるための方法について書いてあるのは、最終章のみ」
と、書きましたが、 私以外にも『不機嫌な職場』を読んでそんな感想を持った人が
多かったのか、『不機嫌な職場』の著者の43名のうちの一人である、高橋克徳氏による
本書「職場は感情で変わる」のキャッチコピーは、「ベストセラー『不機嫌な職場』の
解決編登場!」です。

また、以前のメルマガには「『不機嫌な職場』の最終章に書かれた方法は、
経営者や上位の管理職でないと実践は難しいのではないか」と、いうようなことも
書きました。

それに対し、本書『職場は感情で変わる』の「はじめに」には、
 「確かに、経営者や部門長の影響は大きい。彼らが強い思いを持って、良い組織、
良い会社をつくろうというメッセージを出すことで、社員は安心するし、将来への期待も
膨らみます。しかし、実際に職場の中で関係性を変えていくのは、一人一人の社員であり、
職場の仲間たちです、いくら、会社から方針や仕組みが与えられても、それを実際に活かし、
変わっていこうという思いをみんなで共有できなければ、何も変えることはできません。」
と、書かれていました。

そのように、一人一人の社員が職場を変えていくための鍵は、「組織感情=組織全体に
ひろ広まっている感情」のマネジメントである、というのが、本書のタイトルが
『職場は感情で変わる』となっている理由です。

例えば「ポジティブで何でもチャレンジしようとする人も、みんなが保守的になって殻に
閉じこもっていると、自分だけが一歩踏み出すことがでず、保守的な行動をとるようになり、
やがては自分自身も保守的な空気をつくり出す一因になっている」というように、
「組織感情」は、人の意識や行動に大きな影響を与えるものだ、と本書には書かれています。

『不機嫌な職場』の対極である『ご機嫌な職場』になるため、組織感情をマネジメントし、
適切にコントロールするために、まず、すべきことは、今どのような組織感情が分布して
いるのかを客観視することだそうです。

本書の第1章では、「組織感情診断」と、その診断結果による「組織感情マップ」について
解説されています。

「組織感情マップ」は、「快感情--不快感情」と、感情の高まり具合を表す「活性--沈静」の
二つの軸で4つの象限に別けられ、

それぞれの象限が、
 (1)イキイキ感情 快感情×活性状態
 (2)あたたか感情 快感情×沈静状態
 (3)ギスギス感情 不快感情×活性状態
 (4)冷え冷え感情 不快感情×沈静状態
の、4つの組織感情を表しています。

本書に載せられている「組織感情診断」は20の質問からなる簡易バージョン(著者が所属している
コンサルティング会社で実施しているのは、もっと詳細な正規バージョンなのだそう)だからなのか、
同点が多くなってしまってちょっと物足りなくも感じるものの、「組織感情マップ」は
なかなか興味深く、思わず自分の職場についても真剣に診断してしまいました。

ご機嫌な職場は「イキイキ感情」「あたたか感情」が高く、不機嫌な職場は「ギスギス感情」
「冷え冷え感情」が高い、というのは、誰でも理解できる結論です。

しかし、それぞれの感情が自己制御できる範囲を超えてしまうと、あらゆる職場がネガティブな
方向に行ってしまい、「イキイキ感情」も高くなりすぎれば「燃え尽き感情」に、
「あたたか感情」も高くなりすぎれば「ぬるま湯感情」になってしまう、という説明には
意外に思いつつも納得しました。

本書の後半は、各感情を、組織の中で共有させる方法、変えていく方法についてです。

 ■大切なのは、みんなで何かを乗り越えて行く経験を共有すること

 ■まずは、自分達から相手を知ろうとする、相手に関心を持つ

 ■会議は、みんなで一緒にやらなければならないことを相談したり、個々人で
  解決できないことをみんなに相談して知恵をもらったりするために実施するもの。
  気をつけないといけないのは、先輩や上司がそんなこともわからないのかと説教を
  始めたり、自分で考えろと突き放したり、相談するのはできないやつらだと意識を持ったり
  してはいけないということ。

 ■あなたと出会えてよかった、あなたがいてくれてよかった。そんな言葉をかけて
  もらえることで、自分を肯定できる。自分が存在していても良いと思える。
  人というのはそんな弱い存在なのだと思います。

というような、当たり前のようだけど、日々の職場生活の中で忘れてしまいそうになること、
実行できなくなってしまいがちなことが書かれています。

本書の「おわりに」に書かれた
「あきらめず、少しずつ良い感情を自分から伝えてみてください。それが良い感情の
連鎖を起こし、その感情があなたに戻ってきて、きっとあなたを幸せにしてくれます。」
という言葉のように、本書を読んだ人々が、良い感情の連鎖を起こして、不機嫌な職場を
変えていくことができるといいなと思います。


◆目次

第1章 組織にも感情がある
第2章 そもそも感情って、何?
第3章 組織感情をマネジメントする
第4章 組織感情を引き出し、共有する方法
第5章 良い職場、良い会社をつくろう

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