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Vol.059 目に見えない資本主義

目に見えない資本主義.jpg

『目に見えない資本主義 Invisible Capitalism ~
経済学者が語らない資本主義の未来』
(東洋経済新報社)

田坂広志

2009/7

 

 

 

みなさん、こんにちは。松山真之助です。お元気ですか?。

今日は、田坂広志さんの最新刊をご紹介しましょう。

従来の経済学では予見しえなかった資本主義の未来を語る啓蒙の書です。
弁証法をひもときながらの深い洞察と、日本文化のよさを再認識する鋭い世界
観から、資本主義の進化の先を感じさせてもらえる素晴らしい内容です。

本書は、田坂さんが参加された2009年1月のダボス会議(世界経済フォー
ラム)の議論の中から生まれました。温家宝、プーチン、クリントン、ゴアな
ど各国首脳や、ユヌスなどのノーベル賞受賞者などがそれぞれの立場から、直
面する世界経済の立て直しの議論が行れました。しかし、そこには田坂さんが
密かに期待していた議論は、残念ながら、ありませんでした。
唯一、田坂さんの琴線を捉えたのは、ジム・ウォリスというアメリカの牧師さ
んの言葉。彼の立てた"問い"だけだったのです。

それは・・・

我々が今、立てるべき問いは
「この危機は、いつ、終わるのか」
ではなく
「この危機は、我々を、どう変えるのか」
ではないか。

という発言でした。本書は、まさにこの問いに立脚した内容になっています。

経済危機を超えて誕生する「新たな資本主義」とは、どんな姿なのか・・・。

それは、不良債権の処理でも、信用崩壊の修復でも、経済指標の好転でもあり
ません。現在、私達の意識に深く浸透しているお金という価値観のみに依存し
た「グローバル資本主義」が内包する本質的な問題に向き合うことなのです。

世界的な経済不況と地球環境の悪化という人類の直面した問題の中で、私達が
なすべきことは何か、田坂さんはそのことを訴えています。
それは、一時の対処療法ではなく、従来の経済学が立脚していた「貨幣経済」
という土俵を超えた、パラダイムの転換こそが必要なのだと説かれています。

資本主義が土台とする「経済原理」、つまり、結局はお金が支配するんだとい
う考え方に、これから5つの大きなパラダイム転換が起きるといいます。

第一のバラダイム転換:「操作主義経済」から「複雑系経済」へ
第二のバラダイム転換:「知識経済」から「共感経済」へ
第三のバラダイム転換:「貨幣経済」から「自発経済」へ
第四のバラダイム転換:「享受型経済」から「参加型経済」へ
第五のバラダイム転換:「無限成長経済」から「地球環境経済」へ

の5つです。

サブプライムローンの深層、オバマのYes We Canが意味したもの、
CSRの落とし穴、民主主義の本質的意味、など、今ここにある世界の真相と
その先を感じることができます。

本書は、混迷の時代に灯をともし、経済不況から立ち直るだけではなく、私達
の社会が新たな進化をとげるための深い洞察が書かれています。社会の変化を
知るための知識の書ではなく、未来を感じる哲学の書として、読み進めたい一
冊です。

お勧め度は、★★★★★+資本主義の進化  です。

 

◆目次

第1話 これから資本主義に何が起こるのか

第2話 資本主義の未来を予見する哲学

第3話 「操作主義経済」から「複雑系経済」へ

第4話 「知識経済」から「共感経済」へ

第5話 「貨幣経済」から「自発経済」へ

第6話 「享受型経済」から「参加型経済」へ

第7話 「無限成長経済」から「地球環境経済」へ

第8話 「企業倫理」を身体化していた日本型経営

第9話 「見えない資本」を見つめていた日本型経営

第10話 「社会貢献」と「利益追求」を統合していた日本型経営

第11話 「主客一体」を追求していた日本型経営

第12話 「有限・無常・自然(じねん)」を前提としていた日本型経営

第13話 なぜ、日本型経営が復活するのか

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