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Vol.058 ギスギスした職場はなぜ変わらないのか

ギスギスした職場はなぜ変わらないのか
手塚利男(著)/ナナ・コーポレート・コミュニケーション
 (2009/3)

 

今回ご紹介するのは手塚利男著「ギスギスした職場はなぜ変わらないのか」です。

本書の中表紙には会社のビルを乗せた御神輿を、暗い顔をして担いでいる人々の絵です。

「どうせ言ってもムダ」「他人(他部署)の仕事に口出しすべきでない」「やっている
フリをしておこう」「仕事の仕方は上が決めるもの。下が何を言っても始まらない。」
「頑張っているのは俺だけ」と、彼らの気持ちがふきだしの中に書かれています。

絵の上に大きな文字で書かれているのは「こんな職場を変えよう!」という言葉です。

職場の「ギスギス」問題について書かれた本と言えば、去年ベストセラーになった
『不機嫌な職場』があります。

『不機嫌な職場』には、ギスギスした職場の例が、多数書かれ、そのひとつひとつに
「そうそうそう!!!」と切ないくらいに共感してしまう本でした。

ですが、『不機嫌な職場』は、ギスギスした職場の原因分析についてはよく書かれているの
に対して、最終章のギスギスした職場を変えるための方法については、経営者や上位の管理
職でないと実践は難しいのではないか、と感じました。

それに対して、本書「ギスギスした職場はなぜ変わらないのか」は、サブタイトルに
「たった一人からでも始められる『職場活性化』の方法」とあるように、経営者や管
理職に限定されない社員の個人レベルでの職場改革の「方法」について書かれています。

そのために、社員に共通するものの考え方や、行動パターンなどを表す「価値観」である、
会社の「風土」を変えよう、ということで、本書の第3章には、風土改革のための
「七つのフレームワーク」が挙げられてます。

■「カベ」を低くする

 「言ってもムダ」「弱みは見せられない」といった「心のカベ」に気づき、その
 気持ちを解きほぐす

■「情報」の流れと中身を変える

 情報交換の場を作る、「上から下へ」「下から上へ」しか流れなかった情報を、
「縦、横、斜め」とあらゆる角度から交錯するようにする

■人の「見方」を変える

 他人に対して貼っているレッテル、自分に貼られたレッテルをはがす

■思いをネットワークで「共有」する

 最初に二割の人と思いを共有し、それを六割の人に共感・共鳴してもらえるよう
 にする、共有仲間をネットワーク化する

■やり取りの「方向」を変える

 メールで一方的な指示ではなく、できるだけ「口頭」で指示をし、その際に「質問」を
 受け付けるようにする

■「制約条件」を疑ってみる

 制約条件を「本当に必要なのか、便利なのか」「業務に差し支えるのではないか」と
 いった視点で見直す。個人レベルでの変化からスタートさせる。

■「個」の主体性を高める

 「上からの支持は絶対」とむやみに受け入れるのではなく、上司は部下に主体性を
 持たせることを意識し、部下は自分の頭で考えることを意識する。


第4章の「ギスギスした職場がこうして変わった!」は、4社での風土改革の事例と
なっています。事例として取り上げられているのは、「いすゞ自動車」、大手精密
メーカーA社、計測機器メーカーB、大手製造メーカーC社です。

事例となっている会社が、ベンチャー企業でなく、いわゆる「日本的な会社」です。

ベンチャー企業を例にされると、「あそこは特殊な会社だから...」という先入観で
読んでしまいますが、本書ではそうでない分、3章で挙げられた七つのフレームワークの
理論のイメージを具体化させやすくなっています。

第5章「風土改革が成功する『秘訣』とは?」はまとめの章となっています。

この章では、

■風土改革とは、「人の気持ちを動かす」こと、そのためには、まずは
 「自分が変わること」そして、自分が変わったことによって「周囲の人が変わる」と
 いうシンプルな方法によって成り立っている

■「七つのフレームワーク」で自らが行動し、他の人をマネジメントでいる「変革型
 人材」を再生産できた企業が、風土改革に成功している。

■「議論する場」がないと改善の気づきも生まれない

■「立場が弱い人」ほど問題の本質を実感しやすい

などのことがまとめとして書かれています。

最後の第6章は「職場が活性化する『すごい仕掛け』」です。

風土改革のゴールとして

■職場に「対話」が溢れている

■「オフサイト・ミーティング」(特に議題を論じるわけでもなく、近況報告をしたり、
 今、取り組んでいる仕事のことを話したりするミーティング)が気軽に行われるよう
 になる

■会議で「議論」がされるようになる

を提案し、そのゴールを目指して個人レベルでスタートできる31の方法が、
土壌作り・種まき期・育成期の3つのステップに分けて紹介されています。

読み終わった時には、自分にも何かができるのではないか、と思わされる本でした。

キア

 

◆目次

第1章 なぜ、職場がギスギスしているのか?
第2章 ギスギスした職場が変わらない「本当の理由」
第3章 誰でもできる!風土改革「七つのフレームワーク」
第4章 実例 ギスギスした職場がこうして変わった!
第5章 風土改革が成功する「秘訣」とは?
第6章 保存版 職場が活性化する「すごい仕掛け」

 

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