ホーム > 書評メールマガジンバックナンバー > Vol.024 「トップコンサルタントがPTA会長をやってみた」三谷宏治(英治出版)

Vol.024 「トップコンサルタントがPTA会長をやってみた」三谷宏治(英治出版)

トップコンサルタントがPTA会長をやってみた 『トップコンサルタントがPTA会長をやってみた』(英治出版)

三谷宏治(著)
2007/12

みなさん、こんにちは。松山真之助です。

今日は、KIT(金沢工業大学大学院虎ノ門キャンパス)主任教授の三谷宏治 さんの本をご紹介しましょう。

三谷さんは、KIT大学院教授でもあり、戦略コンサルタントでもあり、また 共育者でもあります。教育者ではなく共育者と書くのは、意味があります。教 え育てるのではなく、共に育つ者というスタンスです。

子を持つ親は、子供にいろんなものを期待します。集中力、忍耐力、向学心、 協調性、語学、スポーツ、音楽・・・。こうして書き出してみると、親の気持 ちは、期待の塊ですね。

ところが、そんな期待を背に受けた子供も、学校を出て社会人になると、なぜ か「発想力」なんてものを期待されはじめます。予想外です!

考えてみると、子育て熱心の親は、後々に期待されることになるこの発想力を 錆びつかせる努力を一生懸命しているのかもしれません。

本書は、子供の教育(著者は共育と命名)に関して、現在の常識からいくと対 極にあるかのような、ユニークな思想とヒントを提示しています。

三谷さんの定義によれば、「発想とは、自由で自立的な意思が、多くの観点か ら見抜いた真実を、さまざまに組み合わせたものの発露である」となります。

発想力、クリエイティビティといった言葉は、ビジネスパーソンに求められる 大切なスキルのひとつ。しかし、子供のころには、それほど意識されない。む しろ、ひたすら親の常識にそって、塾に通わせ、習い事させ、世間の常識と尺 度の範疇で抜きんでることを求められる。 ここに大いなる矛盾が潜んでいるのでしょう。

著者から発せられる下記の問いは、なかなか深いものがあります。

 希少な幼年期(幼稚園、保育園、小学校)に、塾や習い事で鍛え上げること  は、本当に将来の発想力を伸ばすことにつながるのだろうか?

「ヒマ(時間的自由)」と「貧乏(手段の制限)」と「仲間(インタラクショ ン)」が子どもの創意工夫を生み出し、未来の発想力につながる・・という仮 説のもと、著者の育児体験、PTA会長の経験、そしてプロフェッショナルな コンサルタントの世界の知見を駆使しながら、その検証を提示しています。

本書の魅力は、、「なぜだろうの心」を刺激するさまざまな問いかけと、「限 界は自分の中にある、それを突破しよう」といういくつかのエピソードではな いでしょうか。

たとえば、何故だろう(好奇心)のところでは、

  なぜ、貯水タンクは円柱状なのか
  なぜ、1分は60秒なのか
  なぜ、夜空は暗いのか
  なぜ、空気は透明なのか (←Thinkで読んだ方もいるね)

など大人も、うーむと首をひねる問いがあります。 大切なことは、その問いの答えをしっていることではない。それを考える力、 考え抜く力こそが大切なのだ、と三谷さんは言います。

小学校のPTA会長として、親や子供に発せられた、ユニークな挨拶(メッセ ージも実に楽しいものがあります。

変わるべきは親、私たちであり、それは自分のためでもあり、子供たちのためで もある。子供のなぜだろうの好奇心と自立の心を育むブレーキにならないよう、 気をつけたいものですね。

大いなる刺激と、変化のきっかけをもらえる素晴らしい本です。

お勧め度は、★★★★★+素朴な疑問  です。

◆目次

はじめに

PART1 子どもたちから奪っているもの・与えるべきもの
 第1章 「発想」への条件 子どもはヒマな方がいい
 第2章 本当のコミュニケーション 日本サッカー協会の10年戦略
 第3章 真に与えるべきもの 「自立」と「なぜだろう」の心

PART2 子どもの前に、まず親が変わる
 第4章 何を身に付けるべきか 「常識」に囚われない心
 第5章 「なぜだろう」の心 決めつけず多面的に考える
 第6章 限界は君のうちにある きのうの自分より高く

PART3 子どもたちへの接し方、伝え方
 第7章 学びへ導くために 共に学び 共に問う
 第8章 共に学ぶために 学校へ行こう

あとがきにかえて 亡き父へ

参考図書

ホーム > 書評メールマガジンバックナンバー > Vol.024 「トップコンサルタントがPTA会長をやってみた」三谷宏治(英治出版)

出版コンサルティング

おススメセミナー

献本の受付

お勧めの本

部下を動かす教え方

セミナー講師になって稼ぐ法

ページ上部へ戻る