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Vol.020 「未来を予見する「5つの法則」」田坂広志(光文社)

未来を予見する「5つの法則」 『未来を予見する「5つの法則」』(光文社)

田坂広志 (著)
2007/1

みなさん、こんにちは。松山真之助です。 今日は、田坂広志さんの『未来を予見する「5つの法則」』をご紹介します。

私たちが学校で習った歴史の中には、大きな転換期が幾度も登場しました。パ ラダイムがガラリと変わる時代の波を、遠い視点から眺められるところが、歴 史の面白さだったのかもしれませんね。今私たちのいる現在も、政治、経済、 ITなど様々な面で大きな転換の波がいくつもきています。

本書は、そうした世界のパラダイムの変化を、弁証法的視点で読み解きながら、 未来を予見する本です。

これまで田坂さんは著作や講演で、弁証法的思考法を分かりやすく解説されて いました。本書は、さらに分かりやすく、そして深く、弁証法というフィルタ ーを通した未来予見の旅にいざなってくれます。

冒頭にこんな言葉があります。

未来は予測することはできない。しかし
未来を予見することはできる。

この意味は、具体的な予測(concrete prediction)はできないが、弁証法的思 考を使い、大局的な予見(macroscopic foresee)はできるということです。 本書は、大きな流れを見る力、大局観を養うための本です。未来予測の科学で はなく、未来予見の哲学の本なのです。

さて、本書で語られる世界発展の法則は、つぎの5つ:

 螺旋的プロセス
   世界は、あたかも、
   螺旋階段を登るように、発展する。

 否定の否定
   現在の「動き」は、
   必ず、将来、「反転」する。

 量から質への転化
   「量」が、一定の水準を超えると、
   「質」が、劇的に変化する。

 対立物の相互浸透
    対立し、競っている者同士は、
    互いに似てくる。

 矛盾の止揚
    「矛盾」とは、世界の発展の原動力である。

5つの法則は、それぞれ、非常に分かりやすい事例を交えながら展開されてお り、なるほどぉーとうなずきながら、なんともいえない醍醐味を味わえます。

最後の「これから起こる12のバラダイム展開」では、経済、政治、社会など に加え、宗教観、文明論まで広がる哲学の道を歩くことになり、読み終えるこ ろには、深い感慨に浸ることになるはずです。

僕が最も心に響いたのは「矛盾の止揚」の法則。これは、他の4つの法則の根 底をなす大事な法則なのです。

世の中には矛盾がいっぱい。しかし、それを「解消」したときではなく「止揚」 したとき物事は発展する。だから矛盾こそは、事物の発展の原動力だという ものです。

そう考えると、僕たちの周りにいっぱいある矛盾した状況は、歓迎すべきこと なのかもしれませんね

マネジメントも、その本質は「矛盾のマネジメント」だといいます。割り切っ てしまうのは簡単。しかし、それでは発展は望めない。 では、どうすればいいのか・・・

 どちらか一方を否定するのではなく、両者を肯定し、包含し、統合し  超越することによって、より高次元のものへと昇華していく。

そのことが大切と説かれています。矛盾を受け入れ、正面から受けとめること こそ、私達の成長のステップとなるのですね。

「矛盾あり、また楽しからずや!」 ということでしょうか。

あなたも「弁証法的思考」(Dialectic Thinking)の旅に、ぜひ。

お勧め度は、★★★★★+大局観  です。

◆目次
序話 未来を予見する鍵は、「弁証法的思考」にある。
 弁証法の「5つの法則」
第1話 世界は、あたかも、螺旋階段を登るように、発展する。
 第1の法則 「螺旋的プロセス」による発展の法則
第2話 現在の「動き」は、必ず、将来、「反転」する。
 第2の法則 「否定の否定」による発展の法則
第3話 「量」が、一定の水準を超えると、「質」が、劇的に変化する。
 第3の法則 「量から質への転化」による発展の法則
第4話 対立し、競っているもの同士は、互いに、似てくる。
 第4の法則 「対立物の相互浸透」による発展の法則
第5話 「矛盾」とは、世界の発展の原動力である。
 第5の法則 「矛盾の止揚」による発展の法則
第6話 弁証法的思考で予見する未来
 これから起こる「12のパラダイム転換」
 これから、コミュニケーションとイノベーション、
 経済と社会、民主主義と文化、人生と価値観、
 宗教と科学、そして、文明に、何が起こるのか。

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